アストラゼネカ 肺がん薬「イレッサ」、アジアで大規模治験を実施へ
公開日時 2005/11/03 23:00
アストラゼネカは11月2日、厚生労働省医薬食品局に対して肺がん治療薬「イ
レッサ」の安全対策を報告した。報告によると、アジア各国との共同で、日本
人と東洋人に対するイレッサの有効性を確かめる大規模臨床試験を計画してい
ることがわかった。欧米での遺伝子変異を解明する試験や国内のフェーズ3の
結果を踏まえて、試験開始に向けて各国の現地法人や医師と協議に入ったとい
う。
イレッサの有効性を巡る研究は、欧米の「ISEL試験」が先行している。こ
の試験は、460例の腫瘍組織のサンプルを使って、同剤との有効性と関係があ
ると見られるEGFR遺伝子の変異やEGFRタンパクの発現などを調べた。
すでにデータ解析が終了しており、今月14~18日に米国で開催する国際会議で
発表される予定だ。また、国内フェーズ3試験でも同様の研究を行っている。
アストラゼネカは、こうした研究をもとに、アジア地域での大規模臨床を開始
する方向。現在、現地法人と医師を交えて、多施設・多国間共同で行う可能性
を検討している。