厚労省・医療経営調査 開業医、月間黒字227万円 病院収益は悪化
公開日時 2005/11/03 23:00
厚生労働省は、11月2日の中医協に、約3700の医療機関を対象にした経営実態
調査(05年6月時点)を示した。医療法人や国立病院の収益が伸び悩むなか、
開業医は04年06月時点の前回調査に比べ3.4%増となる約227万円の黒字を確保
した。この調査は診療報酬改定の基礎資料となるだけに、医療費抑制を目論む
財務省や経済財政諮問会議が、診療報酬の引き上げを狙う日本医師会に対する
さらに攻勢を強めそうだ。
今回の調査は、厚労省が2年に一度実施する診療報酬改定の参考資料となる
「医療経営実態調査」。全国の医療機関6614を対象に経営状況を調べ、3659機
関から有効回答を得た。前回までは12月頃に公表していたが、今回は中医協の
要請で公表時期が早まった。
1ヵ月間の病院収益をみると、民間病院は前年比22%減の180万1000円、国立
病院は73.1%減の254万7000円と大幅に悪化。地方自治体が運営する公立病院
も9.1%減の4166万5000円の赤字と苦しい経営だ。一方、開業医は、医業収入
を2%減らしたが、医薬品費を4.1%削減した結果、収益は3.4%増の227万300
0円を確保した。病院経営が苦境に立つ半面、開業医の収益性が浮き彫りとな
った格好だ。