病院地震対策 7割が耐震診断受けず、医薬品備蓄ほぼ半数が未計画
公開日時 2005/11/01 23:00
四病院団体協議会と厚生労働省の研究班が全国の約7000病院を対象に行った地
震対策実態調査で、7割以上が耐震診断を受けていないことが11月1日までに
わかった。非常時の医薬品備蓄計画も半数が策定しておらず、病院の災害対策
が不十分な実態が浮き彫りとなった。
調査は全国にある6843病院を対象に05年2月1日~3月1日に郵送方式で調べ
た。昨年の新潟県中越地震で多くの被害を出たことを受け、病院の災害対策の
実態を把握するのが狙い。
耐震診断を受けている病院は14.3%にとどまったのに対し、受けていない病院
は75.1%にのぼった。耐震診断を受けた病院で、さらに耐震補強の必要性があ
るとされたのは64.8%(632件)に達した。大地震による建物崩壊によって患
者が死傷する可能性も指摘されている。
一方、非常時の医薬品備蓄計画を持たない病院は50.8%となり、半数を超えた。
飲料水や食料の備蓄も39.2%が計画を持たず、災害時のライフライン停止で機
能を失う病院が多いことをうかがわせる。