小泉第3次改造内閣 新厚労相に谷垣派の川崎氏、医療費抑制を強調
公開日時 2005/10/31 23:00
小泉純一郎首相は10月31日午後、第3次改造内閣の閣僚名簿を発表した。厚生
労働相には谷垣派の会長代行で、自民党・医療基本問題調査会副会長の川崎二
郎・元運輸相を起用した。
川崎新厚労相は同日、首相官邸で行われた会見で、小泉首相から医療制度改革
や年金改革など6つの指示を受けたことを明かした。そのうえで、小泉首相に
は「厚労相は大変で厳しい。(課題の)ボリュームも大きく、関係者や関係省
庁も多いが、その調整が仕事だ」と激励されたという。
医療費抑制策の焦点となる「総額管理」については「持続的な制度にするため
にはある程度、抑制システムを導入しなければならない」と述べた。くわえて
「急激に老人が増加するため、今のままでは制度は持たない。何らかの抑制を
する必要がある」と強調。医療費抑制を推進する構えを見せた。
川崎新厚労相は1947年11月生まれの57歳。71年に慶応義塾大学卒業後、松下電
器入社。鳩山内閣で厚生相だった父・秀二氏の地盤を引き継ぎ、80年に衆議院
初当選。小渕内閣では運輸相、北海道開発庁長官を歴任した。当選8回。
00年の「加藤の乱」で加藤紘一氏とともに森内閣の倒閣をめざしたが、加藤派
が分裂して失敗。その後、堀内光雄氏、丹羽雄哉氏ら反加藤グループが離脱し
て弱体化した加藤派(その後小里派)を支え続けた。05年9月に加藤氏の派閥
離脱後、後を継いだ谷垣派の会長代行を務める。
松下電器時代には営業企画に従事し、徹底した“効率化”の手法を学んだとい
う川崎新厚労相。その経験を医療制度改革に生かせるか、課題は山積している。
医療費抑制策を進める財務相には谷垣禎一氏が留任したほか、金融・経済財政
担当相には与謝野馨・自民党前政調会長が就任した。次期厚労相の呼び声が高
かった安倍晋三・自民党前幹事長代理は、官房長官として初入閣した。