治験シンポ 日本に対し国際化への遅れなど厳しい意見相次ぐ
公開日時 2005/10/27 23:00
国際共同治験とファーマコゲノミクスが2大テーマに浮上──。第6回北里・
ハーバードシンポジウムでは、外資メーカーによる国際共同治験への組み入れ
に日本が取り残されていることや、欧米で盛んなファーマコゲノミクス(PGx)
でも日本が遅れをとっていることが示された。
台湾の規制担当者は「日本は治験の空洞化に関して危機感が欠けている。もっ
と国際共同治験に参加すべき」と提案。ファイザーの島谷克義常務取締役は
「これまで空洞化問題に本当に危機感を持って対処してきたかというとそうで
はなかった。アジアの国々と共同して、日本の研究者がインセンティブやモチ
ベーションをもって国際共同治験に入れるような仕組みをつくるため、熱意を
持って議論をスタートした」と応じた。
グラクソ・スミスクラインの岩崎甫開発本部副本部長は、被験者からの同意取
得などPGx研究の推進に苦慮している現状を報告。理由として、規制当局から
明確な指針が示されていないことや、医師の間で理解が進んでいないことを指
摘。また、個人情報保護法の施行などで患者の間に遺伝子試料を採取されるこ
とへの懸念が生じていると説明した。
GSKはPGxに積極的に取り組む企業として知られ、薬剤の効き目や副作用などの
薬剤反応性と遺伝子との関係を解析することを目的に15年間分のDNA試料の保
管しているという。