厚生労働省は10月18日までに、妊娠末期に子宮を柔らかくする子宮頸管熟化剤
「プラステロン硫酸ナトリウム」の副作用が胎児を死亡させる危険性があるこ
とから、投与時には分娩監視装置で胎児を観察するようを添付文書の改定を指
示した。

プラステロン硫酸ナトリウムは子宮頚管に直接作用して熟化を促進する。しか
し、体内でエストロゲンに変化することで母体や胎児に悪影響が現われる可能
性が指摘されるなど、一部の市民団体が販売中止を求めていた。

今回の添付文書改訂では、厚労省は胎児が死亡した症例が報告されているため、
投与前後には母体と胎児を十分に観察するよう警告したほか、過敏症の既往歴
がある患者への投与も禁忌としている。

ただ、欧米では妊婦へのエストロゲン製剤の投与は禁忌となっている。プラス
テロン硫酸ナトリウムは厳密にはエストロゲン製剤でないが、子宮頸管熟化剤
として妊婦に使用しているのは日本だけ。国内では日本オルガノン、イセイ、
科薬、富士製薬が販売している。