昭和大 非定型薬単剤への切り替えで臨床症状・副作用が改善
公開日時 2005/10/13 23:00
定型抗精神病薬多剤併用から非定型薬単剤への切り替えにより、臨床症状に加
え、錐体外路性副作用でも有意な改善効果が確認されたことが、10月13日の日
本臨床精神神経薬理学会で報告された。患者自身からも良好な評価が得られた
一方で、試験脱落者が1割以上いたことから、切り替え速度や臨床特徴の検討
などが今後の課題となった。
昭和大学医学部精神医学教室の山田浩樹医師らによる研究成果。入院中で6ヵ
月以上、定型薬多剤併用療法が行われた患者51人に対し、リスパダール(ヤン
センファーマ)、ジプレキサ(日本イーライリリー)、セロクエル(アステラ
ス製薬)、ルーラン(大日本住友製薬)の非定型薬4剤に切り替えを行った。
▽非定型薬は規定投与量まで増量する▽定型薬の減量は、1種類ずつ減量して
いく▽睡眠導入剤、気分安定薬の使用の有無は問わず、変更しない――との方
針でスイッチングした。
その結果、陽性陰性症状評価尺度(PANSS)陽性症状では4剤全てで、陰性症状
ではジプレキサ、セロクエルで改善効果が認められた。総合病理評価尺度でも
有意な改善が確認された。錐体外路性副作用でも有意な改善効果が確認された
ほか、プロラクチン値に関して薬物間で有意な差が認められたという。体重、
BMI、血糖値に関してはスイッチングによる変化は認められなかった。