医薬品総合機構 企業のグローバル開発を後押し、年内に中間まとめ
公開日時 2005/10/10 23:00
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、製薬企業のグローバル開発
を後押しするため、「治験問題検討委員会」を設置し、日本を含めたアジア地
域等でのグローバル治験の活性化に向けて、臨床試験データの評価方法や日本
人の試験データの扱いなどの見直しを進めている。年内には中間的なとりまと
めを行う方針。
国内では治験件数は減少し、海外で治験を先行する製薬企業が相次ぐ一方で、
韓国、中国、シンガポールなどのアジア諸国では、国が主導して治験環境強化
に乗り出し、グローバル治験の実施件数が増加。国内の関係者の間では「日本
だけ取り残される」との危機感が強まっている。
PMDAの宮島彰理事長は10月7日、05事業年度第2回運営評議会で「グローバル
開発が主流の中で、日本だけが治験に組み込んでもらえないという危機感があ
る。これを打開しないと世界から取り残されると感じている」とコメント。
「ICHで議論されている世界同時開発、同時承認に向けて治験環境を整備しな
ければいけない」と語った。
委員会では、PMDAが製薬企業からグローバル治験の事前相談を積極的に応じる
ほか、国内治験データや、日本人の試験データの扱いや評価についての見直し
など環境整備の強化に向けて検討を進める。また、医療機関に対しても、GCP
査察への対応を強化するほか、IRBの質や機能の向上を図るなどして、治験に
対する理解の向上を促し、迅速化・効率化を進める方針だ。