厚労省 ランタス液漏れで重篤な副作用2件、注意喚起を指示
公開日時 2005/10/03 23:00
厚生労働省医薬食品局安全対策課は9月30日、アベンティスファーマに対し、
カートリッジ型インスリン製剤「ランタス注オプチクリック300」および専用
手動式医薬品注入器「オプチクリック」に関して、使用方法によって液漏れな
どが生じ、投与量不足や過量投与による健康被害が発生するおそれがあること
から、注意喚起するよう指示した。アベンティスに液漏れの苦情が143件寄せ
られ、厚労省に因果関係が否定できない高血糖に関する重篤な副作用が2件報
告された。
アベンティスは03年12月にランタス注カート300/ランタス注キット300を発売
したが、04年2月にランタス注キット300の自主回収を開始、さらに同3月に
はランタス注カート300の専用手動式医薬品注入器「オプチペンプロ1」につ
いて緊急安全性情報を発出するなど、トラブルが続いた。
05年に入り、オプチペンプロ1からオプチクリックへの切り替えが進められた
が、同9月2日にオプチクリックの一部製造ロットで、単位設定時に意図せず
ディスプレイ表示が「00」に戻る現象が確認されたとして、特定ロットの自主
回収を発表していた。
現在オプチクリックの使用はオプチペンプロ1からの切り替えのみで、新規患
者には使用されていない。オプチクリックへの完全切り替えと、特定ロットの
回収がともに近く終了することから、アベンティスでは、ゴム栓の強化など液
漏れ対策などを図り、販売に踏み切りたい意向。