日本癌学会 スーテント、単剤で高い臨床成績
公開日時 2005/09/25 23:00
東京都立駒込病院外科・臨床試験科の戸井雅和部長は、札幌市で開かれていた
日本癌学会学術総会で講演し、米ファイザー社が開発中で転移性乳がん患者へ
の単剤投与で高い試験成績が得られたとされる「SU11248」(商品名:スーテ
ント)の臨床試験成績を報告した。
戸井部長は「SU11248」を用いたフェーズ2試験(51症例)で部分寛解が14%
(7例)確認された点に触れ、「単剤でこれだけ効くということで大変注目を
集めた」と評価した。病態の安定効果(6ヵ月以上)が得られた患者は2%
(6例)、有意な臨床的効果は16%(8例)だった。
今後の課題としては、戸井部長は「ハーセプチンに比べて、どのような形で
使われるべきか、毒性との関係や化学療法との併用ではどうかについて検討
されている段階」と述べた。
SU11248は受容体チロシンキナーゼと呼ばれる複数の蛋白質受容体を選択的
にターゲットする“マルチターゲット型”チロシンキナーゼ阻害剤。
国内では、ファイザーが消化管間質腫瘍(GIST)を対象にフェーズ1/2試
験を実施している。