日本癌学会 アバスチン、併用投与で有用性示唆
公開日時 2005/09/25 23:00
東京都立駒込病院外科・臨床試験科の戸井雅和部長は日本癌学会学術総会で、
進行性乳がんで有効性が検討されている「アバスチン」(海外で転移性結腸
直腸がん治療として既承認)とタキソールの併用療法で「ハーセプチンに匹
敵する効果が得られる可能性がある」と有用性を示唆した。
戸井部長は、進行性乳がんに対してアバスチンを用いた抗血管新生療法の有
用性が検討されていることを紹介。「タキソールとアバスチンの術前後の併
用では、ハーセプチンに匹敵するくらいの成績が出るかもしれない」と期待
感を示した。
タキソールとアバスチンによる併用投与と、タキソール単独投与の効果を比
較した試験で、併用投与群では単剤投与群に比べ、がんの悪化を平均4ヵ月
遅らせることが示唆されたという。
アバスチンは、血管内皮成長因子(VEGF)に結合し抑制する作用を有すると
考えられている。VEGFは腫瘍の血管新生に重要な役割を担う蛋白として知ら
れる。