キッセイ薬品 国内初、経口タイプの口腔乾燥症状改善薬を発売
公開日時 2005/09/25 23:00
キッセイ薬品は9月22日、頭頸部がんの放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善
薬「サラジェン錠5mg」(一般名:塩酸ピロカルピン)を発売したと発表した。
この適応では国内初の経口薬となる。薬価は5mg1錠で139.70円。予想売上高
は初年度で4000万円、ピーク時の10年目で14億1000万円。
同剤はキッセイが米MGIファーマから導入した唾液分泌促進剤。唾液腺内のム
スカリン受容体を刺激し唾液分泌を促進することで、頭頸部の放射線治療に伴う
口腔乾燥症状による会話障害、摂食障害などの日常生活の障害を改善する。
国内では頭頸部がんで放射線治療を受けて口腔乾燥症状を発症する患者は
推定で約3万人。既承認薬は、帝人が人工唾液「サリベート」(噴霧式エアゾ
ール剤)のみ。
キッセイは「現在、人工唾液や水分補給といった一時的に口腔内を潤す補助療
法が行われているのみ。患者や医療関係者から生理的な唾液分泌を促進する
薬剤の開発が望まれていた」と、耳鼻咽喉科や口腔外科、放射線科などの
医師などを対象に情報提供を進める計画。