光山熊大教授 ARBの心筋梗塞抑制、臨床レベルで解明を
公開日時 2005/09/15 23:00
熊本大学大学院医学薬学研究部生体機能薬理学の光山勝慶教授は9月15日、北
海道旭川市で開かれている日本高血圧学会学術総会で、降圧剤の臓器保護作用
に関し、ARBが心筋梗塞を抑制する可能性について「基礎研究レベルでは可能
性があるが、臨床レベルでは未だ明らかでない」と述べた。
光山教授はCHARM試験、LIFE試験、VALUE試験といった大規模試験のサブ解析な
どからは、心筋梗塞発症抑制に関してARBでは降圧を超えた効果は認められて
いない点を説明。心筋梗塞発症抑制の観点から、ARBとACE阻害薬の効果を比較
する大規模臨床試験などの結果を待つ必要があるとした。
併せて課題として、▽ARBは血管新生を抑制することが知られているが、この
作用がプラークの進展や心筋梗塞発症にどのような意味を持つのか▽ARBは増
量すると臓器保護効果の増強が見られるが、心筋梗塞予防に必要な至適用量は
どのくらいか▽正常レベルまで降圧した状態でも、ARBの降圧を超えた臓器保
護作用は残っているのか――をあげた。