武田薬品 米で今秋発売予定の不眠症治療薬、早期に第一選択薬めざす
公開日時 2005/07/11 23:00
武田薬品工業は7月11日、新規作用機序の不眠症治療薬として米国で9~10月
の発売を見込むロゼレム(一般名:ラメルテオン)についてR&Dミーティング
を開いた。武田によると、既存の治療薬にはGABA受容体作動薬しかなく、GABA
受容体が脳内に幅広く分布することもあり、記憶・運動障害や依存症など有害
作用が問題になるのに対し、メラトニンMT1/MT2受容体作動薬であるロゼレム
はこうした有害作用がない利点がある。また、GABA受容体作動薬は睡眠の質が
自然睡眠と異なる「沈静型睡眠」なのに対し、自然睡眠に近い「生理的睡眠」
をもたらす。
米国の18歳以上の潜在患者数は約7600万人で、うち処方薬を服用しているのは
21%にすぎない。市場調査から、処方薬・OTCとも服用していない患者の53%、
OTCのみ服用している患者の59%、処方薬(GABA受容体作動薬)を服用してい
る患者の64%がロゼレムのターゲットになると見ている。
米国では4月のルネスタ(セプラコール社)発売以来市場が急速に伸びており、
武田はTPNA(武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカ)のMRを500人増
員し1800人体制にするとともに、CSOの採用を検討するなど発売に向け準備を
進めており、早期に第一選択薬としての地位確立をめざす。