中医協・部会 フラットプライス「日本にはなじまない」
公開日時 2005/05/18 23:00
複数の規格に同じ価格が付く、海外で採用されている「フラットプライス」の
問題について、5月18日の中医協・薬価専門部会で向田孝義、奥田秀毅両専門
委員は、日薬連薬価研・常任運営委員会27社を通じて調べた実態を報告した。
(1)大規格が汎用である場合に非汎用の小規格の価格を同一にしての小規格
の採算性確保(2)大規格で割安感、小規格で割高感を醸成させ効果が大きい
大規格への処方誘引とシェアアップ――が目的として、「得られる利益を最大
化するための戦略」と説明した。
また、フラットプライス戦略がなじみやすい市場的、制度的な条件として、薬
剤費が定額で償還されるタイプの民間医療保険が広まっていたり、定額の薬剤
患者負担制度を設けているケースを挙げ、「(フラットプライスは)日本には
なじまないのではないか」とした。
この問題は、薬価収載を見送ったアストラゼネカの高脂血症用剤「クレストー
ル錠10mg」のように、現行ルールに基づき外国平均価格調整と規格間調整の組
み合わせで薬価算定すると、調整対象国がフラットプライスを採用している場
合に齟齬(そご)が生じることから、診療側委員らが専門委員に実態調査を求
めていた。