患者のコスト意識が医療を動かし始めた。長引く景気低迷、その中での窓口負担増、後期高齢者医療制度創設に伴う保険料の年金天引きなど、いま患者は医療にかかるコストを実感せざるを得ない状況にある。コストに見合った医療サービスを求める患者に対し、医療機関は選ばれる施設になろうと対策を打ち始めた。薬剤の使い方にも影響しそうだ。本特集では、こうした患者の意識変化を医師や医療機関の経営者がどのように捉えているか、独自調査を交えて取材した。（小林志帆、酒田浩、神尾裕）患者を襲う三重苦混沌とする市場日本の医療、医薬品市場はどうなっているのか。これまでの窓口負担増、08年４月に始まった後期高齢者医療制度による年金からの保険料天引き、そこに過去に例をみないほどの不況が加わった。この「三重苦」は患者の懐を直撃する。受...