「二重らせん」のワトソンとクリックを告発する理由
公開日時 2009/06/30 00:00
MRと分子生物学分子生物学の知識なくして、MRが自信を持って医師・薬剤師に向き合うことは困難だろう。必修科目ともいうべき分子生物学の足跡と最前線を学ぶのに、『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一著、講談社現代新書)は恰好のテクストであり、その上ゾクゾクするほど面白い。分子生物学の幕開け科学専門誌「ネイチャー」1953年4月25日号に1ページ余りのごく短い論文が掲載された。そこには、DNAが、互いに逆方向に結びついたらせん状の2本のリボンから成っていること、すなわち、二重らせん構造をしていることが示されていた。論文の共同執筆者ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによって分子生物学時代の幕が切って落とされた瞬間であった。ワトソンとクリックの犯罪この掲載に先立つ1953年2月上旬、世界中の研究者...