「効く人にだけ使う」薬物療法が必須の時代に
公開日時 2008/10/31 00:00
聖路加国際病院ブレストセンター長・乳腺外科部長中村清吾氏固形がんに対する分子標的薬の第1号ハーセプチンが登場して10年。乳がんにおける薬物療法の進歩にはめざましいものがある。今後もさまざまな分子標的薬の承認が見込まれており、患者のQOLや生存率向上にいっそうの発展が期待される。薬物療法の現状と課題、今後の展望と期待などについて、話を聞いた。乳がんの薬物療法の変遷と特徴は乳がんは他の固形がんと異なり、かなり古くからtargetedtherapyが行われてきたという歴史があります。もともと乳がんでは、卵巣を摘出すると腫瘍が小さくなることが経験的に知られていました。すなわち、女性ホルモンを標的とし、これをコントロールすることによって、6~7割のがんで症状が改善することがわかっていたのです。その後、...