「腎臓が悪い」ことの重大性を認識してほしい
公開日時 2008/12/31 00:00
日本医科大学内科学講座飯野靖彦教授最近、慢性腎臓病(CKD:chronickidneydisease)という疾患概念が注目されている。日本における推定患者は1300万人。透析だけでなく、心疾患や脳卒中など心血管系疾患の危険因子となることが明らかになっている。CKDが注目される背景、治療法、普及にあたっての問題点などについて聞いた。CKDはどのような病気ですか02年に米国で提唱された疾患概念で、慢性の腎臓の病気を総称し、広く「腎臓が悪い」ことを危険因子としてとらえようという考え方です。具体的には、蛋白尿などの腎臓の異常や、糸球体濾過量(GFR)で表される腎機能の低下(60mL/分/1.73㎡未満)のいずれか、または両方が、3ヵ月以上続く状態をCKDと呼んでいます。蛋白尿は尿検査で、GFRは血液...