投資ファンドThird Rock、Global Blood Therapeuticsに投資
公開日時 2012/07/06 04:00
起業早期段階のベンチャーへの投資を主とするファンドのThird Rock Ventures(TRV)は、6月14日、新規に設立されたGlobal Blood Therapeutic(GBT)に同社最高額となる4070万ドルを投資すると発表した。
GBTは、酵素活性変化におけるアロステリック調節を用い、血中に見られるタンパクの形を変化させる基盤技術を持っており、現在、この技術を活用して、血液障害に対する経口低分子医薬の開発を目指している。最初の疾患ターゲットは鎌状赤血球病。
TRVのベンチャーパートナーであるMark Goldsmith氏は、TRVのポートフォリオ企業Constellation Pharmaceuticalsの前CEOでもあり、今後、GBTのCEOに就任予定だ。同氏は、鎌状赤血球病は非常にアンメットメディカルニーズが高く、同疾患が初めての分子的に定義された遺伝病だと指摘、GBTの基盤技術を活用することで、治療薬を開発できると見ている。
米国には約10万人の鎌状赤血球病患者がいるといわれるが、これは全世界に1500万人存在するといわれる患者に比べるとわずかだ。患者の4分の3はアフリカにいるという。
TRVは、近年、ベンチャー投資に積極的で、2011年4月には、腫瘍特異的治療法の開発基盤を持つBlueprint Medicineに4000万ドル、同年6月には、栄養障害性表皮水疱症として知られる稀少皮膚疾患の治療薬を開発しているLotus Tissue Repairに2600万ドルを投資した。今年1月には、サノフィが買収を目的で株式投資を行ったWarp Drive Bioに7500万ドル投資している。
6月に入っても、抗体医薬開発に特化しているIgenicaに3300万ドル、Rhythm Pharmaceuticalsに2500万ドルを投資するなど積極展開している。
The Pink Sheet Daily 6月14日号