エーザイは11月30日、経口抗凝固薬ワーファリン（一般名：ワルファリンカリウム）の新しい剤形となる「ワーファリン顆粒0.2％」を12月１日から発売すると発表した。嚥下困難な患者や小児患者などに対して医療現場では必要に応じて既存の錠剤を粉砕するなどして対応していた。今回の顆粒剤によって医療現場や患者の利便性の向上を図る。顆粒剤（0.2％ １ｇ）の薬価は10.00円。なお、既存製剤は0.5mg製剤及び１mg製剤が１錠あたり各9.60円、５mg製剤が１錠あたり10.60円。

ワーファリンカリウムは光によって分解していく性質を持っているが、今回の顆粒剤では、顆粒をコーティングするなどの工夫を行うことで光安定性を高めたという。また服用ボリュームの適量を確保するため500倍散に設定した。

ワーファリンは日米欧の診療ガイドラインで、心原性脳塞栓症や静脈塞栓症などの血栓塞栓症の治療及び予防で第一選択肢となっている。その一方で、治療域が狭く、他剤との相互作用が多いことが知られており、プロトロンビン時間などの測定による血液凝固能のモニタリングにより投与量の調節が必要となる。

エーザイは、顆粒剤のメリットについて、「嚥下困難や小児など錠剤の服用が困難な患者様に対して使用可能で、微量調整もできる」とコメントしている。