セツキシマブ国内使用成績調査 グレード3以上の投与後反応は海外より低く
公開日時 2011/03/07 04:02
メルクセローノは3月4日、結腸・直腸がん治療薬セツキシマブ(製品名アービタックス)の国内使用成績調査(最終報告)の概要を発表した。薬剤注入後に過敏症やアレルギーのような有害な症状が現れるインフュージョンリアクションの発現率は、グレード3以上の重度な症状では1.1%だった。投与後1時間以内に発現するケースがほとんどであったことから、その間は「患者の状態を注意深く観察する」ことを促している。
調査は、08年9月~10年1月までの約1年3カ月の全投与症例を対象にし、副作用などの安全性の評価は2006例を対象に行った。インフュージョンリアクションは初回投与症例で発現頻度が高かった。全グレードの発現率は5.7%。グレード3以上の発現率1.1%は、海外での2.4%(MABEL試験)より低い結果となった。
2006例のうち89.6%で副作用が現れ、グレード3以上は21.5%。皮膚障害は83.7%、消化管障害は23.1%、電解質異常は11.5%だった。皮膚障害は同剤ではよく知られている副作用だが、その90%はグレード1か2、グレード3以上は全体の約10%だったという。
調査結果は、埼玉県立がんセンター消化器内科の山口研成副部長が米国臨床腫瘍学会の消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2011)で発表した。