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【AHAリポート】Omega-3 処方ω-3多価不飽和脂肪酸投与で症候性心房細動の発症抑制効果示せず

公開日時 2010/11/16 17:00

 発作性心房細動の既往がある患者に処方ω-3多価不飽和脂肪酸(P-OM3:Prescription Omega-3 Fatty Acids)を投与しても、症候性心房細動の再発までの期間を延長する効果はみられないことが分かった。米国・ペンシルバニア州のLankenau Institute for Medical ResearchのDivision of Cardiovascular DiseasesのPeter R.Kowey氏が米国・イリノイ州シカゴで開催されている米国心臓協会(AHA)2010年次学術集会の「Late-Breaking Clinical TrialsⅡ」セッションで11月15日、報告した。


試験は、抗血小板療法を処方されていない発作性心臓細動の既往がある患者を対象に、処方ω-3多価不飽和脂肪酸の症候性心房細動の再発までの期間延長効果を評価するのが目的。前向きランダム化二重盲検下比較試験で、米国95施設で実施された。試験期間は、2006年11月~2010年1月まで。


663人の患者(発作性心房細動:542人、持続性心房細動患者:121人)を登録。①処方ω-3多価不飽和脂肪酸4mg/日②プラセボ群――の2群に分け、24週間治療し、効果を比較した。主要評価項目は、心房粗動を含む発作性心房細動の再発までの期間。


解析対象は、発作性心房細動542人(プラセボ群:276人、処方ω-3多価不飽和脂肪酸群:266人)、持続性心房細動121人(プラセボ群:55人、処方ω-3多価不飽和脂肪酸:66人)。


発作性心房細動患者を対象とした主要評価項目の発生率は、プラセボ群で48%(129例)に対し、処方ω-3多価不飽和脂肪酸群では52%(135例)で、2群間に有意差はみられなかった(ハザード比:1.15、95%CI:0.90~1.46、P値=0.263)。


一方、持続性心房細動を対象にした主要評価項目の発生率も、プラセボ群の33%(18例)に対し、処方ω-3多価不飽和脂肪酸は50%(32例)で同様に、抑制効果はみられなかった(ハザード比:1.64、95%CI:0.92~2.92、P値=0.089)。そのほか、発作性粗動を除く発作性心房細動発症までの時間や、救命エピソード数、症候性有害事象の累積発現率などあらゆる副次評価項目でも2群間に差はみられなかった。


安全性については、有害事象の発生率はプラセボ群60%(199例)に対し、処方ω-3多価不飽和脂肪酸群は61%で両群間に有意差はみられなかった。試験期間中にそれぞれの群に1例ずつの死亡例が報告された。


ただし、処方ω-3多価不飽和脂肪酸群では、プラセボ群に比べ、24週間後には▽血清TG、VLDL(超低比重リポ蛋白)▽収縮期血圧値――などが減少したとした。


これらの結果からKowey氏は、「6カ月間の試験では、構造的心疾患と症候性の心房細動と確認された患者に対して、処方ω-3多価不飽和脂肪酸はプラセボ群に比べ、心房細動の再発を抑制することができなかった」と結論付けた。なお、同試験の結果は同日付のJAMA Online版に掲載された。
 

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