サノフィ 国内初の寒冷凝集素症治療薬・エジャイモ点滴静注を発売
公開日時 2022/09/09 04:49
サノフィは9月8日、国内初の寒冷凝集素症治療薬・エジャイモ点滴静注1.1g(一般名:スチムリマブ(遺伝子組換え))を発売した。
寒冷凝集素症(CAD)は自己免疫性溶血性貧血のひとつで、重篤な慢性希少血液疾患。補体とよばれる体の免疫系の一部が自己の正常な赤血球を誤って破壊することで発症し、CAD患者には慢性的な貧血、溶血性発作、QOLの低下がみられる。近年、レトロスペクティブな解析により、CAD患者では、血栓塞栓症や若年死のリスクが上昇することも明らかになっている。
同剤は、C1s(免疫系における補体の古典経路活性化の第1段階にあるC1複合体に含まれるセリンプロテアーゼ)を標的としたヒト化モノクローナル抗体。補体古典経路の活性化は、CADにおける溶血の中核となる機構で、これを阻害することでCADによる溶血の抑制が期待できる。独特の作用機序と高い標的特異性を持つスチムリマブは、補体の古典経路の上流プロセスを選択的に阻害する一方で、補体の第二経路やレクチン経路の免疫監視機能は維持される。
同剤は、初回投与後は1週後に投与し、以後2週間の間隔で投与する。薬価は1.1g22mL1瓶 24万4074円。中医協資料によると、ピーク時売上予測は5年後に投与患者数82人、販売金額22億円。