日本整形外科学会 「ロコモ度3」を新設
公開日時 2020/09/14 04:50
日本整形外科学会の松本守雄理事長(慶應義塾大医学部整形外科学教室教授)は9月10日、ロコモティブシンドロームの段階を判定するための臨床判断値に、ロコモ度3を新設したと公表した。同日の記者説明会「ロコモ度を判定する「臨床判断値」に「ロコモ度3」を追加-ロコモの医療対策に関する根拠や高齢になる前のロコモ対策の指標化へ期待」で説明した。同学会のロコモティブシンドロームは、運動器症候群の通称。
◎松本理事長 ロコモ度3は「整形外科専門医の診療を」
ロコモ度3とは、移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態と定義づけた。ロコモ度3と判定された人は、自立した生活ができなくなるリスクが非常に高くなっていとした。松本理事長は「何らかの運動器疾患の治療が必要になっている可能性があるので、整形外科専門医による診療を勧める」とした。
◎下肢筋力、歩幅、身体状態・生活状況を考慮
ロコモティブシンドロームの臨床判断値と判定法について、 ①下肢筋力、②歩幅、③身体状態・生活状況―の3項目からなる「ロコモ度テスト」の計測結果から、各項目における臨床判断値を用いて、ロコモの進行状況をロコモ度1、ロコモ度2、ロコモ度3と判定する。
ロコモ度1は移動機能低下が始まっている段階、ロコモ度2は移動機能の低下が進行し、自立した生活ができなくなるリスクが高くなっている段階、ロコモ度3は、移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている段階とする。
段階に応じて、運動や食事の指導、整形外科専門医の受診の必要性などが分かる。ロコモ度テストを活用することで、一般の方の人も自分自身でロコモ度を判定できるとしている。