湘南アイパーク 病院で疑似観光を体験 ドローン活用のシアン社が実証試験スタート
公開日時 2019/03/11 03:50
病院にいながらにして、バーチャルな観光旅行を楽しめる―。ドローンを活用したサービス事業を行うシアン(東京都)は3月8日、武田薬品を開放して設立された湘南イノベーションパーク(以下、湘南アイパーク)で実証試験をスタートすると発表した。同社はVRゴーグルを通じて、観光地の映像を中継することで、バーチャルな観光旅行をサポートする“空力車”というサービスを展開する。湘南アイパークがフォーカスする希少疾患を中心に、病室を離れられない患者に活用してもらうことで、心理的負担の軽減やQOL向上を見込む。実証試験をきっかけに、本格的にヘルスケア領域で事業展開したい考え。
具体的には、空力車の利用者のQOL向上の効果測定や、ドローンやVRを活用した新サービスの研究開発、専門スキルを有するオペレーターなどの人財育成などを実証試験として展開する。シアンの岩井隆浩代表取締役は、これまで障がい者や高齢者が空力車を活用したバーチャルな旅を経験することで、心理的負担の軽減やQOL向上した姿を見てきたと説明。そのうえで、「湘南アイパークの注力領域である、希少疾患の患者さんに対して、バーチャル体験を通じて生活の不安感を改善させる新たなサービスを展開し、湘南の地でドローンを活用した新たな価値創造およびイノベーションの創出に取り組みたい」とコメントしている。
この取り組みは、湘南アイパークが19年1月にNPO法人ロボットビジネス支援機構(RobiZy)と締結した包括連携協定の枠組みの一環。包括協定では、革新的医療機器やヘルスケア領域関連の開発、ロボットなどの社会実装について、ロボット関連企業、三井住友海上火災保険などのRobiZy会員を交え、連携協力の可能性を協議。湘南アイパークで、社会実装事業を推進 するための会議・セミナー等を企画開催するとしている。湘南アイパークで実証試験を始めるのは、RobiZy会員企業としてはシアン社が初めて。