サノフィ 造血幹細胞の末梢血中への動員促進薬モゾビル皮下注を新発売
公開日時 2017/02/23 03:50
サノフィは2月22日、自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員を促進する薬剤モゾビル皮下注24mg(一般名:プレリキサホル)を同日に新発売したと発表した。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性が高いと判断され、同省から開発要請を受けていたもの。
薬価は、24mg1.2mL1瓶 58万1972円。中医協資料によると、市場予測は10年後のピーク時で投与患者数700人、販売金額9.2億円。
血液がん治療では抗がん剤を用いた大量化学療法が実施されることがあり、その場合、副作用として、血液を作り出す骨髄の機能が抑制されるため、治療後の造血機能及び免疫機能の回復が必要になる。そのため、血液を作るもとになる患者自身の造血幹細胞を事前に採取し、大量化学療法後に患者の体に戻す自家移植が行われる。
しかし、一部の患者では十分量の造血幹細胞を得られず、結果として移植を断念せざるを得ない場合がある。また、十分量の造血幹細胞を収集するのに1日数時間、連日行う必要があり、患者の負担も大きい。同剤は造血幹細胞を骨髄から末梢血へ循環させる「動員」を促進させる働きを持ち、造血幹細胞採取の回数の減少と採取率を向上させる。