がんの補助診断薬「ルミパルスST-439『NK』」一部自主回収 誤測定のおそれ
公開日時 2015/02/05 03:50
日本化薬と富士レビオとカイノスは2月3日、がんの補助的診断や治療効果判定などに用いる診断薬「ルミパルスST-439『NK』」で誤測定のおそれがあることから、1月30日から一部ロットの自主回収を始めたと発表した。誤測定となったとしても、診断は臨床症状や他の検査結果と併せて総合的に判断されるため、重篤な健康被害の可能性は極めて低いとしている。
回収対象製品は2014年5月26日~2015年1月30日の間に出荷されたもので、対象ロット(出荷数)は、WQX5042(321キット)、WQX5083(381キット)、WQX5114(411キット)、WQ5042(91キット)、WQ5038(84キット)、 WQ5114(79キット)--。
同剤は、腫瘍関連糖鎖抗原であるNCC-ST-439抗原を測定するもの。同抗原は膵がん、胆道がん、乳がん、大腸がんなどの多種類のがんで高い陽性率を示す。そのためがんの補助的診断、治療効果判定、再発予知に利用されているという。
今回、当該製品の再現性が不良である旨の苦情を受け、調査したところ抗体結合粒子の性能低下から再現性が不良となることが確認された。これにより、測定不能もしくは誤測定のおそれがあるという。