診断薬・Lymphoseek 米FDAが頭頸部がんの適応追加を承認
公開日時 2014/06/19 03:50
米食品医薬品局(FDA)は6月13日、放射性画像診断薬・Lymphoseek(一般名:テクネチウム99m tilamanocept)について、頭頸部における扁平上皮細胞がんのリンパ節への拡散を検出する診断薬としての適応追加を承認した。これにより、がんに最も近い原発巣のリンパ節を検出する“センチネルリンパ節生検”を可能にする。
有効性・安全性は、口唇、口腔および皮膚における扁平上皮がん患者85例を対象とした臨床試験で検証された。患者全員がLymphoseekを注射され、その後外科医は、病理学的検査のために同診断薬で検出されたリンパ節を切除した。同診断薬が誘導したセンチネルリンパ節生検は、リンパ系のどこにがんが拡散しているかを正確に検出したという。主な副作用は、注射部位の痛みあるいは炎症だった。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のLibero Marzella医療イメージング部長は、「頭頸部がんの患者にとって、原発巣からがん細胞が流れ込むリンパ節の切除および病理学的検査は重要な診断評価法である」と述べた。その上で、「Lymphoseekを使用するには、医師は、腫瘍部位に同診断薬を注射、その後、携帯型放射線検出装置を使って、Lymphoseekの放射線を帯びたセンチネルリンパ節を検出できる」と同診断薬の使い方を説明した。
同診断薬は、診断薬ベンチャーのNavidea Pharmaceuticals Inc (本社:オハイオ州ダブリン)が開発、製造、販売する。
なお、Lymphoseekは、2013年に乳がんおよび黒色腫患者における原発巣に最も近接したリンパ節を検出する診断薬としての承認を取得している。