日本イーライリリー 治験参加呼びかけにPepper活用へ
公開日時 2019/02/27 03:50
日本イーライリリーは2月26日、治験への参加の呼び掛けにヒト型ロボットのPepperを活用していくと発表した。パイロット運用を行っていた3つの医療機関すべてで、患者から治験に関する問い合わせが寄せられるなどの効果が確認できたという。同社の藤本賢二郎臨床開発本部本部長は、「Pepperは患者の関心をひきつけ、直接呼びかけることができるため、治験の参加者募集に効果的だと考えている」とコメントした。同社では4月からの運用を目指し、整備を進めたい考え。(写真:日本イーライリリー提供)
パイロット運用は18年9月上旬から12月上旬にかけて、東京・大阪などの3つの医療機関で行われた。Pepperは待合室に設置され、「治験とは何か」を説明。質問に対してその場で回答する会話には対応していないため、興味を持った患者は医師や治験コーディネーターから説明を受けることができるようにしていた。
パイロットに参加した医療機関からは、「患者との会話がはずんだ」などの好意的な意見が相次いだ。患者からも「Pepperをきっかけに治験を知った・興味を持った」などの意見が寄せられ、なかには治験参加の登録につながった患者もいたという。
治験をめぐっては、近年患者数が少ない疾患を対象にした試験が増加するなどの影響で、参加者の募集が課題となっている。