エーザイ 希望退職に300人応募、募集人数の3倍 19年末も実施へ
公開日時 2019/01/21 03:52
エーザイは1月18日、日本で2018年12月に実施した希望退職者募集に300人が応募したと発表した。3月末日に退職する。国内社員数は18年12月末時点で3414人のため、応募人数は社員の8.8%に相当する。募集人数は「100人程度」としていたが、応募はその3倍となった。それでも、19年末、20年末の希望退職者募集を予定通りに行うとしている。
今回の募集は18年12月11日から21日まで実施予定だったが、19日に募集を締め切った。対象者は18年4月1日現在で45歳以上かつ勤続5年以上の社員。応募者には通常の退職金に割増退職金の加算を行う。今回、割増退職金総額は約66億円となった。応募者の部門別内訳は開示していない。
同社は希望退職者の募集を18年10月に発表した。その際、18年度、19年度、20年度と3回に分けて募集する計画を明らかにし、19年度と20年度は、今回(18年度)の応募情報などを勘案して人数を検討するとしていた。結果として今回、当初の想定の3倍が応募したわけだが、同社広報部は本誌取材に、「当初からの予定通り、第2回、第3回も各年度同時期の募集を予定している」と述べ、19年12月、20年12月も希望退職者を募集する考えを示した。
18年度薬価制度抜本改革などを背景に国内の市場環境は厳しさを増しているなか、同社では新たなビジネスモデルへの転換と戦略的パートナーシップへと従来とは異なる事業戦略を進めている。このような“社の変革期”を機に、転身やセカンドライフを選択したい社員の選択肢として、希望退職者を募集することにした。一方で、新卒採用枠を厚くし、新たなビジネスモデルを踏まえた人材確保も進める。