フィリップス 異業種提携で「ヘルステック」実用化加速 19年度事業戦略
公開日時 2018/12/07 03:50
フィリップス・ジャパンは12月6日、2019年度の事業戦略発表会を開き、ヘルスケア領域とAI・ICT技術、異業種との提携をさらに進め、「ヘルステック」の実用化を加速する方針を示した。健康増進、予防、診断、治療、在宅ケアまでの課題の解決を図る製品やアプリなど新たなソリューションの創出を目指す。同社の堤浩幸代表取締役社長は、「チャレンジングなアイデアがないと、イノベ―ションは生まれない。(他社の)皆さんとともに大きな価値を創造していきたい」と、発表会に招いた参加企業に呼びかけた。
発表会には協業パートナーの6社の代表者が登壇し、協業の狙いや提携内容を説明した。ソフトバンクの宮川潤一代表取締役副社長執行役員は、「日本のマーケットはバラ色ではない。日本発でグローバルに出ていけるようなビジネスモデルを作り出すためには、企業と企業の連合が重要だ」と意義を強調した。
ビックカメラの宮嶋宏幸代表取締役社長は、睡眠の悩みを解決する製品やサービスを提供していることを紹介。協業によるデータの活用で、両社で睡眠の質を高めるサービスの提供を目指すという。また一部口腔ケア領域の商品が競合するライオンは、マーケットの拡大という課題が共通していることからパートナーを組むことを明らかにした。そのほか、東京海上日動火災保険、医療ICTベンチャーのアルム、富士ソフトが説明に立った。
◎堤社長 ヘルステックで予防・医療の個別化進める
堤代表取締役社長は、▽個別化▽精密化▽予防▽生産性▽パートナーシップ―を重視してソリューション開発に取り組むと表明。「世の中リスクだらけだが、ずっと動かずじっとしていくことは最大のリスクだ。自ら率先して行動し、常に改善を求めていく」と、日本発のイノベーションに向け意気込みを示した。