医療用薬7製品 新規効能や用法の追加承認 オプジーボに固定用量 タグリッソの1次治療適応も
公開日時 2018/08/22 03:52
医療用薬7製品が8月21日、新たな効能・効果や用法・用量を追加する承認を取得した。この中には小野薬品の免疫チェックポイント阻害薬オプジーボの固定用量の設定、アストラゼネカの抗がん剤タグリッソをEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんの1次療法に使用可能にする適応拡大などがある。
追加承認を取得した製品は次のとおり(カッコ内は一般名、製造販売企業)。
▽オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):
「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」を効能・効果に追加
「悪性黒色腫」において用法・用量に術後補助療法を追加
以下の適応において体重換算に基づく用法・用量を1回240mgの固定用量に改めた。
悪性黒色腫(術後補助療法含む)
切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
根治切除不能又は転移性の腎細胞がん
再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん
がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発胃がん
がん化学療法後に増悪した切除不能な進行又は転移性の悪性胸膜中皮腫
240mg製剤は後日承認される見通し。
▽ヤーボイ点滴静注50mg(イピリムマブ(遺伝子組換え)、ブリストル・マイヤーズスクイブ):作用機序の異なる免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボと併用して、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんに使えるようにした。用法・用量は体重換算に基づく。
▽タグリッソ錠40mg、同錠80mg(オシメルチニブメシル酸塩、アストラゼネカ):EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんにおいて1次治療を可能にした。
現行は、EGFR阻害薬に抵抗性のある患者に対し使用する薬剤だったが、効能・効果からその部分を削除し「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん」に改めた。今回の承認に先立ち、ロシュ・ダイアグノスティックスによるコンパニオン薬が7月31日付で承認されている。EGFR遺伝子変異を検出する体外診断用医薬品「コバスEGFR変異検出キットv2.0」で、タグリッソの1次治療の適用判別に用いることができるようにした。
▽ポテリジオ点滴静注20mg(モガムリズマブ(遺伝子組換え)、協和発酵キリン):現在の効能・効果である「CCR4陽性の皮膚T細胞性リンパ腫」からCCR4陽性の制限を外し、新たな用法・用量を設定した。
▽リンゼス錠0.25mg(リナクロチド、アステラス製薬):「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」を効能・効果に追加。現在の効能・効果は「便秘型過敏性腸症候群」。
▽トルツ皮下注80mgシリンジ、同皮下注80mgオートインジェクター(イキセキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症において、効果不十分な場合の用法・用量を追加。現行の用法・用量で12週以降は4週間隔投与としているところを、効果不十分な場合は2週間隔投与も可能にした。
▽バリキサ錠450mg(バルガンシクロビル塩酸塩、田辺三菱製薬):「臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制」に小児の用法・用量を追加。
追加した用法・用量は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請が妥当と判断され、公知申請を経て今回の承認となった。後日ドライシップ製剤も承認される見通し。