厚労省 手術機器の超音波吸入器、子宮筋腫治療で播種のおそれ 添付文書改訂
公開日時 2018/08/10 03:51
厚労省医薬・生活衛生局は8月8日付で、超音波で腫瘍などの組織を破砕、乳化して吸引する超音波吸引器について、悪性変化の否定できない子宮筋腫の治療に使用することを禁止すると、都道府県に通知し、医療機関、関係業者へ周知するよう指示した。
これは「超音波吸引器に係る『使用上の注意』の改訂について」と題する医療機器審査管理課と安全対策課の両課長通知。米FDAの報告を踏まえた対応で、超音波吸引器を子宮筋腫がある患者の治療に使用した場合、想定されていなかった子宮肉腫を播種するおそれがあるという。
同省は、超音波吸引器、超音波吸引器の機能を持つ手術装置の添付文書の「禁忌・禁止」欄に「悪性変化の否定できない子宮筋腫の乳化又は破砕には使用しないこと[組織片が飛散することで、腫瘍細胞が転移するおそれがある。]」と明記することにした。
同省は2016年7月、腹腔鏡手術に用いる機器で、腫瘍などの組織を細かく切って体外へ取り除くモルセレータを子宮筋腫がある患者に使用した場合、子宮肉腫を腹腔内に播種させるリスクがあるとして、添付文書で悪性腫瘍またはその疑いがある場合にモルセレータを使用しないこととする対策を取っている。