理研と国がん AIで早期胃がん自動検出 精度約90%
公開日時 2018/07/24 03:50
理化学研究所と国立がん研究センターは7月20日、AIで早期胃がんを約90%の精度で自動検出する手法を開発したと発表した。検出できたのは、明らかな腫瘍の隆起が認められる「隆起型」、低い隆起が認められる「表面隆起型」だけでなく、発見が難しい粘膜がくぼんでいるタイプの「表面陥凹型」も含めて検出できたという。早期の実用化を目指すとしている。
これは、理研光量子工学研究センター画像情報処理研究チームの横田秀夫チームリーダーらと国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科の矢野友規科長らの共同研究チームが開発したもの。それによると、コンピュータが「がん」と判断した画像中、実際に「がん」であった割合は93.4%に上り、コンピュータが「正常」と判断した画像中、実際に「正常」であった割合は83.6%だった。
早期胃がんには自覚症状があまりなく、がんが進行して症状が現れた場合でも、胃炎や胃潰瘍の症状に似ていることから、がんと分かったときには進行しているケースがある。早期発見を目指す内視鏡を用いた検診でも、画像診断の正確さは医師の経験に大きく依存し、専門医であっても発見が難しい場合があるという。この研究は、国立がん研究センター研究開発費「内視鏡機器開発臨床試験体制基盤確立に関する研究」の支援を受けて行われた。