ヤンセン 統合失調症薬リスパダールコンスタ筋注用の一部ロット自主回収 規定量を投与できないおそれ
公開日時 2018/04/10 03:50
ヤンセンファーマは4月9日から、統合失調症薬リスパダールコンスタ筋注用の一部ロットの自主回収を始めた。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の回収情報によると、投与中にシリンジのプランジャーロッドが押せなくなるといった不具合が複数の医療機関であり、規定量を投与できず,十分な効能が得られないおそれがあるため。
回収のクラス分類は「クラスII」(製品の使用等が、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるか、または重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況)。
回収対象ロットは次のとおり。
25mg製剤:▽A0003(4573ケース、17年10月10日~12月5日出荷)▽A0004(9366ケース、17年11月30日~18年2月15日出荷)▽A0005(4307ケース、18年2月8日~3月19日出荷)▽A0006(1856ケース、18年3月8日~3月29日出荷)
37.5mg製剤:A0006(2882ケース、17年11月29日~12月25日出荷)▽A0007(8697ケース、17年12月21日~18年3月19日出荷)▽A0008(612ケース、18年3月2日~3月29日出荷)▽A0009(619ケース、18年3月13日~3月29日出荷)。
PMDAは回収情報で、「十分量の薬物が投与されないことで、4~6週後に原疾患である統合失調症の悪化や薬剤離脱症候群が認められる可能性がある。ただし、本剤の持効性注射剤という性質から血中濃度が完全に消失する可能性は低いことから、投与量不足による健康被害の可能性は非常に少なく、また、万一、症状の悪化などが見られた際にも、医師の判断により、内服薬での補完などの治療を行うことが可能」とし、重篤な健康被害のおそれはないとの見方を示している。