中医協・消費税分科会 10%引上げ見据え議論開始 薬価調査実施へ
公開日時 2018/04/02 03:50
中医協の診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」は3月30日、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げを見据え、議論を始めた。厚労省は、診療報酬上での対応に備えて、薬価・医療材料の調査を通常改定と同様に実施する案を提示し、診療・支払い各側はこれを了承した。一方で、建物やシステムなど設備投資調査については、年度による変動が大きいことなどから、現時点での調査の必要性は少ないとされた。
消費税は1989年の導入以降、97年、14年と引き上げられ、診療報酬上の対応がとられてきた。保険医療は非課税とされるが、医薬品や医療機器などには消費税がかかり、医療機関側の負担が増大する(損税)などの声が医療現場ではあがっている。
14年には、引き上げへの対応として、基本診療料・調剤基本料への上乗せなどが実施された。その後、厚労省の調査で、補填率は医療機関全体で102.07%だった一方で、保険薬局は86.03%と100%を下回ったことが明らかになった。病院内でも特定機能病院や一般病棟が補填率100%以下となっており、バラつきが生じていた。これを受け、厚労省保険局医療課保険医療企画調査室の矢田貝泰之室長は、「補填率が100%に近い点数の付け方を目指したい」と述べた。
日本薬剤師会の森昌平副会長は、「補填率は誤差の範囲を超えていると思う。なぜこうなったのか、もう一度把握して次回の対応につなげてほしい」と指摘した。全国健康保険協会の吉森俊和理事は、「補填率に過不足が出ていることについて、必要なデータを収集し、数値化できるように調査を進めてほしい」と注文をつけた。