NEC 和歌山県立医大と国保診療所で遠隔診療の実証実験 5G通信で
公開日時 2018/04/03 03:50
NECはこのほど、NTTドコモ、和歌山県、和歌山県立医科大学と共同で実施した遠隔診療の実証試験を行ったと発表した。大容量のデータを高速で送れる次世代移動通信システム「5G」を活用したもので、和歌山県立医科大学と約30km離れた国保川上診療所との間で高精度の画像の共有や問診時の表情が分かりやすくなったといった成果が得られたとしている。
和歌山県は山間部が多く、高度医療機関に通うのに時間を要する過疎地が多数存在し、過疎地の診療所では医師の数が少なく、同県は、県内13医療機関と和歌山県立医大を接続する遠隔医療支援システムを構築している。しかし、画像の鮮明度や画像送信の遅延といった課題があったという。
発表によると、実験では5Gの伝送により、4Kテレビ会議システムによるリアルタイムでのコミュニケーション、4K接写カメラで撮影した患部画像、高精細なエコー動画やMRI画像の共有を実現した。高精細大画面モニタを通して皮膚の状態や問診時のリアクションや表情も分かりやすくなったという。
和歌山県立医科大学・循環器内科・地域医療支援センターの山野貴司講師は「これからも、先進技術を積極的に取り入れて、地域全体の医療を支えていきたいと思う」とし、国保川上診療所の平林直樹所長は「県立医科大学の先生がとなりにいて、患部画像を一緒に見ているような臨場感を感じた」と、発表に伴いコメントを寄せた。