ノーベルファーマ 難治性の発声障害治療機器の承認取得 厚労省「先駆け審査指定制度」で初
公開日時 2017/12/18 03:50
ノーベルファーマは12月15日、難治性の発声障害治療に用いる医療機器チタンブリッジ(一般的名称:甲状軟骨固定用器具、開発記号「NPC-17」)の承認を取得したと発表した。世界で先駆けて開発された医療機器で、早期の実用化を支援する厚労省の「先駆け審査指定制度」の対象品目だった。同制度対象品目の承認は初めて。
この機器は、本人の意識とは関係なく声帯が閉じてしまい、声の途切れ、絞り出すような発声といつた症状が現れる神経難病の局所性ジストニアの一種「内転型痙攣性発声障害」に対し、症状を改善する手術(甲状軟骨形成術2型)で用いる。京都大学の一色信彦名誉教授のシーズを元に、複数の国内大学と共同でノーベルファーマが開発、製品化した。17年6月に申請し、指定制度の運用通り6か月で承認となった。通常なら来年前半ごろまでに保険適用が見込まれる。
治療対象の疾患は、原因不明なうえ、社会生活が困難な状況が続き、うつや引きこもり、自殺企図のおそれもあるという。この機器の、画期性、対象疾患の重篤性、高い有効性から、2016年2月に「先駆け審査指定制度」に指定、同年9月には希少疾病用医療機器にも指定されていた。若吉製作所(福井県鯖江市)で製造する。