サノフィ 抗生物質スピラマイシン、胎児のトキソプラズマ症発症抑制薬として承認申請
公開日時 2017/10/06 03:50
サノフィは10月5日、マクロライド系抗生物質スピラマイシンについて、胎児における先天性トキソプラズマ症の発症抑制剤として日本で承認申請したと発表した。妊婦が初めてトキソプラズマに感染した場合、胎児に感染するおそれがあり、死産や流産だけでなく、胎児に水頭症、精神・運動機能障害、視力障害などの症状をもたらすことがあるという。
日本にはトキソプラズマ症を適応症として承認されている薬剤はない。そのため、日本産婦人科学会から、スピラマイシンの開発要望が厚労省に提出されていた。同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が認められ、同省が2014年11月にサノフィに開発要請していた。16年12月には希少疾病用医薬品の指定を受けている。
サノフィは、スピラマイシンについて海外では「Rovamycine」の製品名で承認を持っているが、日本では承認を持っていない。発表によると、妊婦のトキソプラズマ症の治療薬としては70か国以上で承認され、30年以上にわたり使用されている実績がある。