Meiji Seika ファルマ GE子会社「Me ファルマ」新設 低薬価品の長期安定供給図る 製造はインド、MRは使わず
公開日時 2017/05/10 03:52
Meiji Seika ファルマは5月9日、後発医薬品(GE)を製造販売する完全子会社「Me ファルマ」(東京都中央区)を設立し、営業を開始したと発表した。GEが、薬価の毎年改定で薬価が急速に下落すると予想される一方で、高齢化や地域包括ケアで増える需要に応えるため、グローバル生産体制を持つインドの生産子会社メドライクでの原薬調達・製造と、MRを使わない営業体制で、ローコストオペレーションを徹底し、数度の薬価改定を経て低薬価となったGEでも長期にわたる安定供給を可能にするビジネスの実現を図る。今後、需要増が見込まれる生活習慣病のGEを中心に扱う。
薬価の毎年改定により、GEの安定供給にはローコストオペレーションが必須になる。その中で、コスト効率の高い原薬調達と製剤製造を行えるメドライク社が、日本向けの品質に合わせた商業生産体制を整えたことから、新会社をスタートさせた。社員はMeiji Seika ファルマから出向した約20人。高いコスト競争力と高品質を兼ね備えたGEメーカーを目指す。
このビジネスモデルを検討してきた吉田優氏(写真右)がMe ファルマ社長に就き、9日に行った記者会見で、薬価の毎年改定が導入されることでGE事業環境が共存から生き残り競争へと「大きく潮目が変わる」と指摘。「(毎年改定により)単価が下がることでお届けすべき患者さんに(必要な薬剤を)お届けできなくなるのではないかというのが発想の原点」と述べ、「ジェネリック医薬品を安定してお届けし続けるためにMe ファルマをつくった。(製剤バルク製造を担う)メドライクのグローバルな生産体制と、(検査・包装を担う)小田原工場に代表される品質管理体制を融合することで、日本品質のジェネリック医薬品をお届けしたい。これができるのは我々くらいしかないという自負を持って行う」と抱負を語った。
Meiji Seika ファルマの小林大吉郎社長(写真左)は会見で、「基礎的な医薬品を安価でも提供し続ける、その任の一端を担うため、今回のビジネスモデルを提案した。その安定供給の需要に応えたい」と話した。
事業拡大 18年度から本格化
Meファルマでは、Meiji Seika ファルマが扱う中枢神経や呼吸器、感染症領域以外の、生活習慣病、消化器病などの領域のGEを扱う。具体的な売上目標など事業計画は明かしていないが、10月からMeiji Seika ファルマや他社から承継した7品目を順次販売し、まずは新会社や製品の知名度の浸透に取り組む。
18年度以降、Meiji Seika ファルマや他社からGEを承継することを中心に製品の拡充などを進め、事業拡大を図る。既に採用されている他社のGEを切り替えていくことが基本になるため、医療施設の製品見直しや卸の推奨品の見直しなどの機会を捉えて攻勢をかける。新たな地域医療提供体制の動向を見極めて、市場開拓を進める。
営業体制では、チェーン薬局や地域医療連携推進法人などグループ病院の担当者を配置し、提案活動を行う。MRは配置せず、コールセンターやホームページ、IT活用による情報提供を進めるほか、医薬品卸との共同販売体制を検討する。副作用等安全性情報の収集・管理は、Meiji Seika ファルマによるバックアップなどで対応する。