ビーアイメディカル・清水社長 マルチチャネル型CSO目指す CMRとAIコンタクトセンターの融合も
公開日時 2017/03/30 03:50
CSOのIMLと、医薬・ヘルスケアに特化したコンタクトセンターを手がけるベル・メディカルソリューションズが統合し、発足したビーアイメディカルの清水速水社長は、このほど本誌のインタビューに応じ、コントラクトMR(CMR)と、ITも駆使するコンタクトセンターによるサービスを組み合わせることで「マルチチャネルのマーケティング、販売支援サービスが一元的に提供できる体制が今後の視野に入ってくる」と述べ、マルチチャネルによるサービスを展開するCSOを目指すと表明した。CMRに加え、ITによる情報提供活動もメニューに取り入れることで、効率化が迫られる医薬営業のニーズに応えたい考え。将来的にはCMRと、AIを利活用したコンタクトセンターとを融合したサービスも視野にあることを明らかにした。
インタビューの全文(一問一答形式)を、こちらからダウンロードできます(3月30日のみどなたでもお読みいただけます。それ以降はプレミア会員向けコンテンツになります)。
同社は1月1日に社員約600名体制で事業を開始。コンタクトセンター(一般には「コールセンター」と呼ばれる)関連で約300名、CMRは約200名で展開している。清水社長によると、主力サービスは、CMRではMR派遣による新薬や主力品の営業支援、コンタクトセンターでは症例登録・薬剤割付、DI業務。当面は「既存事業を拡大し、そこから委受託事業・プロモーションの周辺事業へとサービスを拡大していく」との姿勢で臨む。▽CMR▽症例登録・薬剤割付▽DI業務--を成長ドライバーに、まずは3年後に、CMR、コンタクトセンターの既存事業の規模をおおよそ倍程度にすることを目指す。
その上で清水社長は、「製薬業界は今、いかに効率よく情報を入手し、提供するかに強い関心を寄せている。MRのほか、ITの利活用も進んでくる」と述べ、マルチチャネル型のCSOサービスの必要性を指摘。CMRとITも駆使したコンタクトセンターとの組み合わせによる包括的サービスが可能になる。定型的な問い合わせ、情報提供にはITを用い、そのフォローアップや症例に応じた最適な処方の支援などの情報活動はMRが行うといったサービスも視野にあるとした。
コンタクトセンターへのAIの利活用について清水社長は「MRとAIコンタクトセンターの融合は、早晩そうなってくると思っている。そこに行くまでは、まずは弊社のコンタクトセンターでのAI活用が先。その次にMRとの融合という話になるだろう。今すぐできるものでもないが、そう遅くなるような話でもない」と話した。
シンジケートサービスも検討
また、清水社長は、地域包括ケアシステムの推進から生ずるニーズに対応するサービス開発も進めるとした。同社長は、「MRの員数に限りある企業では、主力品へ自社MRを集中させる一方で、地域包括ケア等で必要性が高まるとみられる長期収載品やジェネリックまでは手が回らないというのであれば、我々が、複数社の競合しない製品を一括して担当させていただき、営業を行う、いわゆる『シンジケートサービス』も考えられるニーズである」と述べ、検討していることを明らかにした。ほか、必要とされる多職種連携支援など、今後地域で出で来る様々な需要に応えられるように取り組むとした。