PhRMA 世界中で1700剤がフェーズ3段階 新規作用機序多く
公開日時 2017/01/13 03:50
米国研究製薬工業協会(PhRMA)のAndrew Powaleny広報部長は1月6日、承認数の多寡問題ではなく、その背景を読み取ることが肝要だと指摘した。米食品医薬品局(FDA)が2016年12月28日に2016年の新薬承認数を発表したことを受けたもの。
承認データを読み解く上で必要な点は以下の3点だと訴えた。
▽近年、FDA承認数は上昇傾向にある。FDAの新薬承認数は毎年増減があるが、重要なのはバイオ・医薬品研究で持続的なイノベーションが行われているかだ。FDAのCDER(医薬品評価研究センター)は、2010年以降、225剤を承認している。しかも、最近の承認では、がんや嚢胞性線維症のような疾患に対する新規アプローチのイノバティブな薬剤が登場している。
▽科学はより複雑に、研究はより困難になってきている。ヒトの疾患の複雑さから研究開発はしばしば困難を極める。新薬の平均開発期間は10年以上で、臨床試験に入る薬剤の12%だけが患者のもとに届けられる。新薬を発見する科学はますます理解が難しくなっているが、米国のバイオ・医薬品研究者は最先端科学に追いつこうと医薬品開発過程の改善に懸命に取り組んでいる。
▽研究開発パイプラインに大きな希望がある。困難にも関わらず、バイオ・医薬品のイノベーションの将来は、患者にとってかつてなく希望に満ちている。今日、世界中で7000剤以上が開発中で、そのうち1700剤はフェーズ3段階だ。既存薬もあるが、多数が全くの新規薬剤か新規アプローチを持った薬剤である。
PhRMAは、以上のように医薬品開発の現状を説明。2015年の45剤から16年には22剤まで減少したと承認数のみから見るような近視眼的評価で業界をとらえず、研究開発全体を見渡すようにして業界を見ることへの理解を求めた。