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武田薬品 医療圏に“コーディネーター”を試行導入 地域での患者の動き把握、情報収集確実に

公開日時 2016/10/13 03:52

武田薬品で日本事業のトップを務める岩﨑真人・取締役ジャパンファーマ ビジネスユニットプレジデントはこのほど、本誌のインタビューに応じ、医療圏域内の医療提供体制の情報収集のため、医療圏に非営業部門の専任担当者を試行的に配置したことを明らかにした。専任担当者の名称は現時点では決まっておらず、“コーディネーター”とのイメージという。2018年度以降本格化する地域包括ケアシステムでは、医療圏を所管する自治体などさまざまなステークホルダーによって地域の医療提供体制を再構築し、患者は病状に応じて医療やケアを受ける場が変わる。コーディネーターは多様なステークホルダーとコミュニケーションをとり、地域ごとに異なる医療提供体制を把握する。

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インタビューは10月3日に武田薬品東京本社で行った。岩﨑氏は、「地域包括ケアが進むと、我々は患者がどこで診断・処方され、その患者がどこでフォローアップされるのかを知ることが大変重要になる」と述べ、新たな情報提供・収集体制を構築する必要があると指摘した。

これまでは医療機関の機能分化が十分進んでいなかったこともあり、MRは担当病院の機能や役割を意識しなくても、患者がどこでどのような流れで治療されるのかを把握できた。しかし、地域包括ケアでは、地域の実情に応じた機能分化と連携が行われるため、患者を把握しづらくなるとの指摘がある。患者を把握・フォローアップできなければ、製品の適正使用の推進や、副作用情報の収集と報告義務に支障をきたす可能性があり、岩﨑氏もインタビューで、「我々の情報活動に大きな穴をあけてしまうと危惧している」と危機感を示した。

新たな情報提供・収集体制の柱のひとつがコーディネーターの配置で、「パイロットスタディとして、地域で何が起きそうなのか、どのような情報が必要なのか、かつ将来、どのような情報が求められるようになるのかなどの情報収集を開始した」と述べた。「営業とは全く切り離したプロジェクト」とも話し、地域包括ケア時代の医療環境で漏れなく情報を提供・収集するための取り組みだと強調した。この試行は半年ほど実施し、検証する考え。

■「医療経営士」の取得推進 チームリーダー以上は全員

コーディネーターは医療圏全域のマネジメントを担うが、医療現場で治療やケアの流れにのる患者の動きを個別にフォローアップするのはMRの役目となる。この点について岩﨑氏は、「医療圏域内の機能分化や連携においては、医療経営の観点が当然入り、患者の受診・ケアの流れが決まる。MR自身が医療の経営側に立ち、経営の観点からどのような行動がとられるのかを肌でわかる必要がある」として、MRによる医療経営士の取得に着手していることを明らかにした。すでに有資格者は100人以上という。ヒト、モノ、情報をマネジメントするチームリーダー以上の社員全員に取得させる計画で、「早い段階で計画を達成できるとみている」と述べた。

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