抗凝固薬エドキサバン 非弁膜性心房細動と静脈血栓塞栓症の効能追加申請
公開日時 2013/12/20 03:52
第一三共は12月19日、経口抗凝固薬のファクターXa阻害薬リクシアナ(一般名: エドキサバントシル酸塩水和物)について、非弁膜性心房細動と静脈血栓塞栓症の効能追加を申請したと発表した。リクシアナは下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応で2011年7月から販売されている。
今回の申請は日本を含む国際共同フェーズ3のENGAGE AF-TIMI 48とHokusai-VTEに基づくもの。
ENGAGE AF-TIMI 48は、非弁膜症性心房細動患者2万1105人を対象にエドキサバン60 mg、または30 mg(1日1回服用)とワルファリンについて、有効性と安全性を検証した。ランダム化二重盲検で2.8年観察し、有効性評価項目の「脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制」でエドキサバンのワルファリンに対する非劣性が示されたほか、安全性評価項目の「重大な出血の発現」ではエドキサバンの優越性が確認された。
Hokusai-VTEは急性症候性深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)の患者8292人を対象に、エドキサバン60 mg(1日1回服用)とワルファリンで比較された。ランダム化二重盲検で12か月追跡した結果、静脈血栓塞栓症の再発抑制でエドキサバンのワルファリンに対する非劣性が示されたほか、重大な出血または臨床的に重要な出血の発生に関する安全性評価項目ではエドキサバンの優越性が確認された。
脳卒中や全身性塞栓症の予防を目的とした非弁膜性心房細動患者の新規経口抗凝固薬には、現在、トロンビン阻害薬のプラザキサ(11年発売)、ファクターXa阻害薬イグザレルト(12年発売)、同エリキュース(13年発売)がある。エドキサバンがこの適応で承認されれば4剤目の新規経口抗凝固薬、3剤目のファクターXa阻害薬となる。静脈血栓症の適応ではイグザレルトとエリキュースがフェーズ3の段階で、今回承認されればエドキサバンが初となる。
なお、第一三共は欧米でも、非弁膜性心房細動と静脈血栓塞栓症の両適応について13年度中の申請を目指す。