日医・宮川常任理事 ギャバロン髄注の継続供給求める 製造先のネオクリティケア製薬の破産を受け
公開日時 2025/10/23 04:52

日本医師会の宮川政昭常任理事は10月22日の定例会見で、現在限定出荷となっている抗痙縮薬・ギャバロン髄注(一般名:バクロフェン)について、継続的な安定供給に向けた体制構築を求めた。同剤を製造していたネオクリティケア製薬が9月に準自己破産を東京地裁に申請し、破産手続きを開始したことを受けたもの。宮川常任理事は、「欠品すれば患者さんの生命およびQOLに重大かつ極めて深刻な状態となる。医療現場に大きな混乱が起きる状況は避けなければならない」と製造販売元の第一三共や厚生労働省に対応を求めた。
抗痙縮薬・ギャバロン髄注は、製造販売元の第一三共がネオクリティケア製薬に製造委託していた製品。ネオクリティケア製薬は9月5日に、6期連続の最終赤字で資金繰りが限界に達したとして事業の継続を断念。同日、東京地裁に準自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。なお、負債は25年3月期末時点で約44億7100万円にのぼっていた。
同社の破産手続きを受け、第一三共は、「今後の安定供給に支障を来たす可能性が生じている」と医療関係者への情報提供を開始。今後の対応策については、「あらゆる代替供給方法を検討中ですが、当面の間は取引卸に在庫状況を確認いただいた上で、在庫内でご対応くださいますようお願い申し上げます」と案内し、今後の供給については、「詳細が判明し次第改めてご案内する」としていた。
◎宮川常任理事 厚労省に対して製造先変更の際の迅速な事務手続きの実施を要請
宮川常任理事は同日の会見で、「広範囲な手足のつっぱり、痙縮に効果を示す唯一無二の治療法。投与を中断すれば、重篤な離脱症状やリバウンド症状が懸念される」と説明。継続供給に向けた体制構築を求めたほか、厚労省に対しては製造先変更の際の迅速な事務手続きの実施を要請した。