丸石製薬 ミダゾラムを有効成分とした小児用シロップ剤を特定用途医薬品に指定 小児への麻酔前投薬で
公開日時 2024/12/27 04:50
丸石製薬は12月26日、現在開発中のミダゾラムを有効成分とした小児用シロップ剤について、「麻酔前投薬」を予定する効能効果として特定用途医薬品の指定を受けたと発表した。同社は、承認申請に向け、共同開発先のアステラス製薬をはじめ関係者と協力して、一日も早く患者に届けるよう努めたいと強調した。
ミダゾラムの経口剤については、日本小児麻酔学会から小児における麻酔前投薬を効能・効果とする製剤の開発要望が提出されていた。これを受け、厚労省が2018年7月4日に開催した「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で、同剤を医療上の必要性が高いと評価した。一方で同社は、2019年4月1日にアステラス製薬から「ドルミカム注射液10mg」の製造販売承認を承継したことで、小児におけるミダゾラムの経口投与薬の検討依頼先企業として指定され、承継元のアステラス製薬と同剤の共同開発を進めてきた。
麻酔前投薬の目的は、家族との分離による不安を取り除き、円滑な麻酔導入に協力を得ることで、小児患者の周術期医療において必要とされている。特に、小児患者への麻酔前投薬は、効果発現が速やかで持続時間の短い鎮静薬が有用とされる。このためミダゾラムの経口投与は、速い効果発現と短い消失半減期を有する麻酔前投薬に適した薬剤として期待され、国内臨床試験においても、同剤の単回経口投与によるミダゾラムの有効性および安全性を評価した。
特定用途医薬品の指定を受けたことで、PMDA 相談や審査などで優先した取り扱いを受けることができる。同社としても一日も早く患者に届けられるよう、承認申請に向けて取り組む方針だ。