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東邦大学 医事関係訴訟の都道府県別発生率に地域差 東京、大阪が高く、茨城、福島、岐阜等12地域は低い 

公開日時 2024/09/09 04:50
東邦大学薬学部の研究グループは9月5日、医事関係訴訟の都道府県別発生率に関する調査結果を公表し、発生率に地域差を生じていることを明らかにした。調査は最高裁判所の協力を得て、2005~2021年に全国の地方裁判所に提訴された医事関係訴訟の状況を調べたもの。全国の人口100万人あたりの医事関係訴訟の発生率(中央値)は6.30件/年で、発生率が有意に高い地域は東京都と大阪府の2地域。逆に低い地域は、茨城県、福島県、岐阜県、秋田県、三重県、埼玉県、青森県、岩手県、山梨県、千葉県、長野県、愛知県の12地域となっていた。

同調査は東邦大学薬学部の平賀秀明講師らの研究グループが行ったもの。全国と比較して発生率が最も高く、年間10件以上の地域は、東京都の12.97件/年(P<0.001)、大阪府の10.99件/年(P<0.001)の2地域だった。

逆に全国と比較して低い地域は、茨城県の1.77件/年(P<0.001)。次いで福島県の1.93件/年(P<0.001)、岐阜県の2.50件/年(P<0.001)、秋田県の2.65件/年(P<0.001)、三重県の2.74件/年(P=0.001)、埼玉県の2.79件/年(P<0.001)、青森県の3.07件/年(P<0.001)、岩手県の3.36件/年(P=0.005)、山梨県の3.53件/年(P=0.009)、千葉県の3.58件/年(P<0.001)、長野県の4.20件/年(P=0.004)、愛知県の4.78件/年(P=0.015)となっていた。

◎全国の医療機関1000施設あたりの発生率(中央値)は4.38件/年

全国の医療機関1000施設あたりの発生率(中央値)は4.38件/年で、全国と比較して発生率が有意に高い地域は、東京都の6.99件/年(P<0.001)、大阪府の6.68件/年(P<0.001)。低い地域は、茨城県の1.52件/年(P=0.002)、福島県の1.59件/年(P<0.001)、岐阜県の1.89件/年(P=0.002)。

◎全国の医師・歯科医師1000人あたりの発生率(中央値)は1.92件/年

全国の医師・歯科医師1000人あたりの発生率(中央値)は1.92件/年で、全国と比較して有意に高い地域は、大阪府の3.05件/年(P<0.001)および東京都の2.79件/年(P=0.003)。低い地域は、茨城県の0.73件/年(P=0.005)、福島県の0.76件/年(P=0.001)、岐阜県の0.83件/年(P=0.027)、徳島県の0.92件/年(P=0.049)となった。

医事関係訴訟における地域差が生じた要因について研究グループは、医療機関における医療過誤が少ない(医療側の要因)、または弁護士不足などによる訴訟へのアクセスの阻害(司法側の要因)などが想定されると分析。追加解析を行っているとした。
 
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