医師・個人事業主（サージラボ）中村浩己人生哲学を考える第三回のテーマは仕事とプライベート両方の充実だ。大切な一度きりの人生だ。嫌々の仕事は最悪だが、仕事だけの人生もつまらない。いつでも自分らしく充実した人生を送るためには何が必要なのだろうか。「人生が短い訳ではない。人生の多くを浪費しているだけなのだ。」——古代ローマの哲人セネカの言葉である。2016年に「ライフ・シフト（リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、東洋経済新報社）が刊行されてから、「人生100年時代」は現代のキーワードの一つになった。平均寿命が短く、世の中の変化が緩やかだった時代、人生は教育―仕事―引退（老後）というシンプルな３ステージで表された。この図式が現代で成り立たない理由は明白だ。まず、老後...