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価値ある情報を、最適な手段で提供するために

公開日時 2022/11/28 10:00
提供:SAS Institute Japan株式会社

製薬企業のフォーカスがスペシャリティ領域にシフトし、医師とのコミュニケーションがデジタル化していく中で、製薬企業には医師のニーズや嗜好性に応じたコミュニケーションの最適化が求められている。製薬企業は、医師の理解を起点に、営業やデジタルマーケティング等の組織が全社一体となり、適切な情報を、適切なチャネルから、適切なタイミングで提供していく必要がある。SAS Institute Japan株式会社は幅広い業界で、AI・アドバンスドアナリティクスを駆使して営業活動の最適化を支援している。同社の事例を通し、製薬企業における今後の情報提供のあり方を探る。
医師の理解と全社一体のアプローチが不可欠に
製薬業界で主力事業のプライマリケアからスペシャリティケアへのシフトが続く中、営業活動において専門的な領域で医師の個別ニーズへの対応がより重要性を増している。また、情報提供活動が対面だけでなく、デジタルツールを介した非対面的な活動が加わって多様化している。

「このような業界のトレンドを踏まえ、製薬企業は医師ごとにパーソナライズされた情報を、対面や非対面を含めた最適な方法(チャネル)で提供することで、売上は当然として、患者さんの健康やQOL、社会復帰などに貢献していくことが求められていると思います」と、SAS Institute Japan株式会社ソリューション統括本部の原島淳氏は指摘する。

こうした情報提供を実現していく上で、市場や自社製品の価値、そしてターゲットとなる医師を理解し、全社一体でアプローチしていくことが欠かせないという。ここで、医師の理解とは、患者数や処方薬剤、薬剤の選択基準、チャネル選好などを把握することだ。それにもとづいて各部門・チャネル横断の活動を設計することで、全社一体となった活動の最適化が可能となる。

「併せて、MRを含めた各チャネルに関しても、どの医師にどれだけリソースやコストを投入するのかといった最適化を図りつつ、スペシャリティ領域が主戦場となるMR一人ひとりの能力開発も重要です。全社的にアプローチの高度化が必要な状況であると考えています」(原島氏)

背景として、製薬各社の営業手段は、従来のエリア別のMRだけでなく、リモートMR、オウンド(デジタル)メディア、ペイドメディア活用等、従来と比べて幅が増えている。これらの部門が複雑に連携していく中で、部門・チャネル毎の活動の重複や漏れ、それによる医師へのコンタクトのムラが発生するケースが少なくないのである。

こういった各種課題への対応としてSASは、①多様な施設・医師に対する次の一手を最適化する「Next Best Action(NBA)」、②全社一体・オムニチャネルの活動を最適化する「Optimization」、③MR人材開発をデータから支援する「Sales Tech」といった3つのソリューションを提供している。

①NBA:アプローチすべき医師と“次の一手”を判断する
NBAは、アプローチすべき医師を特定し、最適なヒアリングの切り口や情報提供といった“次の一手”を予測するというもの。「“誰に”“何を”、というところを決めていく営業戦術ですが、この“誰に”というターゲティングに関しては通常、患者数の多い施設や医師など実績に基づいて行われます。しかし、こうした施設や医師は競合が激しく、いわばレッドオーシャンのため必ずしもポテンシャルが高いとは言えません。また、医師の患者数を把握することも課題です。自社にとってポテンシャルの高い施設や医師を見極めることが重要です」と原島氏は説明する。

その上で、施設・医師に適合したNBAを導出するために、処方実績に加え、販売年数重視か安全性重視かなどの選択基準、チャネルの選好等の医師の嗜好性を理解していく。実際にNBAがどのように行われているのか、その事例を紹介する。



【事例:ポテンシャル予測によるターゲティング】

自社売上や市場データ、施設/医師属性、MR活動履歴、デジタルコミュニケーション履歴などのデータソースから医師や施設に関する360°のデータを収集し、営業活動量から売上額を予測するレスポンスカーブを導出することで、各医師のポンテシャルを評価する。たとえば、売上がなくても、デジタルで接触頻度の高い医師はポテンシャルが高いといったイメージだ。ただし、あくまでもポテンシャル予測であるため、アプローチへの医師の反応として、自社製品に関心を抱いたか、実際の患者数はどうだったか等、結果をフィードバックし、ポテンシャル予測をアップデートしながら、より確度の高い活動へとPDCAを回していくことが重要だ。このような活動を通して、ある企業では18%の売上アップを図ることができたという。

【事例:嗜好性理解によるNBA導出】
施設・医師の嗜好性理解の観点として、処方実績に加え、施設・医師の一貫した選択基準を理解することで、情報収集および情報提供活動を最適化している。選択基準を理解するために、医師の処方実績から「安全性重視」「新製品」「高価」といった特徴をプロファイリング。特徴が類似した医師をセグメント化することで、コスパ重視なのか、新薬を早く導入する傾向があるのかなどのターゲット医師の特徴を押さえて、効果的なNBAを判断することができる。「例えば安全性重視であれば、当然、安全性に関する説明にウェイトを置いていく必要がありますし、そういった観点の講演会を実施した上で自社製品の強みを説明するなど、 “最適な打ち手”をセグメントごとに提案できるようになっています」と原島氏は補足する。
②Optimization:全社一体となった活動の最適化を図る
NBAが決定できても、複雑化する組織の中で各部門が個別にバラバラでアプローチしてしまうと、情報提供にムラが出たり、重複したアクションによりコスト増を招く。「サイロ化した非効率なアプローチに陥らないためには、どこかの部署が司令塔のような役割を果たし、予算やリソースの範囲内で全体をコントロールしていくことが重要です。MRが医師と会えないならデジタルでリーチする、また反対にデジタルで反応が得られたらMRにトスアップするなどチャネル間連携を含め、全社一体でアプローチする。それにより、医師に合った情報を、最適なタイミング・頻度で、また嗜好に合ったチャネルで、継続的にフォローすることが可能になります」(原島氏)。



【事例:オムニチャネル最適化】
医師個々に対し、チャネルとコンテンツの有効性を分析することで最適化を図り、リソースを変えずに各領域の売上が数%~向上、また売上とMRリソースを維持しながらペイドメディアのコストを約10%削減するなどの成果を実現している。これらの最適化に際しては、例えば、デジタルでよい反応が得られた場合はMRからフォローする、または、MRの訪問で接触できなければペイドメディアでコンタクトするなど、細かなチャネル間の連携も実現されている。

最適化は様々な目的に応用することが可能である。「たとえば、新製品ローンチのタイミングでは、既存製品の売上は維持でそれに係るMRリソースやペイドメディアコストを極小化し、リソースを新製品にシフトする、といったことも可能です」(原島氏)
③SalesTech:営業人材開発を支援
3つ目のソリューションである人材育成は、ハイパフォーマーのMRをロールモデルとして特定し、彼らの“絶妙なやり方”を分析・理解することで、一般のMRの底上げにつなげていくという考え方で設計されている。「ハイパフォーマーのMRと一言でいってもいろいろなタイプがいて、インテリタイプ、コミュニケーション力が高いタイプなど営業タイプを特定することが重要です。それぞれのタイプ別のロールモデルのスキル特性や活動特性をもとに、トレーニングガイドを設計し、一般のMRに展開します」と原島氏は説明する。例えば、ハイパフォーマーがどのような手段・順序で製品の差別化を説明しているか、のような具体的なケースについてもベストプラクティスとして共有し、営業力の向上を図っているようだ。
最先端のマーケティングテクノロジーと
最短で成果を出すためのサービスを提供

図はセールス&マーケティングのテクノロジー分類を3つの観点から整理し、代表的な機能とSASのカバー範囲を示したもの。「チャネルシステム」はコミュニケーションを実行する機能、「データベース」はデータを収集・蓄積する機能であるが、特に同社の強みとなっているのが「統合マーケティング管理」、すなわち収集したデータを分析し、またチャネルシステムを活用して適切なコミュニケーションを実現していくことである。NBA、オムニチャネル最適化、Sales Techもここに位置づけられている。むろん、チャネルシステムやデータ統合についても幅広くカバーしているが、既存のシステムとの連携も容易であるため、同社のサービスを導入するにあたって、各種のテクノロジーを一新する必要がない。

また、SASのサービスの特徴として単なる製品、テクノロジーの提供だけでなく、コンサルティングやマネージドサービスを組み合わせて提供し、効果を最大化するまで支援を行っている点である。「SASではテクノロジーからコンサルティングまで、効果を実現するためのすべてをクラウドサービスとして提供しています。さらに過去のプロジェクトから得られたノウハウをコンサルティングサービスを通して提供することで、効果実現までの時間を最短にするも可能です」と原島氏は話す。登山に例えるなら七合目から頂上を狙うことが可能であり、効果の最大化とコストや手間の大幅減を両立させたサービスに仕上がっている点が、同社ソリューションの最大の強みといえる。


SAS Institute Japan株式会社
〒106-6111 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー11階
Tel:03-6434-3018(受付時間:9:00-17:00)
Email: JPNSASInfo@sas.com
URL: https://www.sas.com/ja_jp/home.html

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